お知らせ

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一番風呂へいらっしゃい by.yume

2014.03.31

 

-大津百町・古くて新しい大津のまち歩き7選-

(最終回)「蝉丸と関寺小町と美人の湯~ 一番風呂へいらっしゃい~」

 

京阪電車浜大津駅から京津線に乗って、京都へ行くのは年に2.3度の大イベントだった幼い頃。

開放的な路面電車部分が、上栄町の駅を過ぎると突然にカーブの多い坂道になり電車は唸り出して、両側に山が迫りいつも薄暗く、再び車窓が広がるのは蹴上の浄水場あたりから。

 

幼心に「京都へ行くのって暗いとこいかなあかんにゃなぁ」と思ったものです。

今思えば、上栄町過ぎたあたりから県境の険しさがあったのです。

そんな場所にも、歴史あるものが存在しています。

 

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まち歩きツアー最終日。空は青く澄み渡り、やっと春らしさが感じられる気持ちのいいお昼下がり。

こんな日はやっぱり、青空の下で集合!!

 

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大津駅を出発してすぐ駅脇にあるのが「山吹御前の碑」

山吹御前というのは、平安時代末期に 巴御前とともに木曽義仲の妾とされていた女性ですが、義仲が粟津の戦で鎌倉方と戦って戦死した際には病のため同行できませんでした。

 

その後山吹御前は義仲に会うために粟津へ向かったのですが、この地にあった秋岸寺の境内までたどり着いたところで敵の刃に倒れてしまいました。

山吹御前を弔うためにお地蔵さんが祀られています。

 

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再開発がどんどん進む大津駅から西とへ進むうち目に留まるのは、風格のある煉瓦造のトンネル。

大正10年東海道本線の新線通過の際、京阪電車がその上を通るために作られた跨線橋(こせんきょう)です。

煉瓦が、月日の流れを顕著に見せてくれています。

 

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暫く、国道を京都方向へと歩いていると、右手に「関蝉丸神社」の石柱。これがまた珍しく 鳥居は線路の向こうにくっつくようにあります。

道路から境内から、車体の一部が流れるように通り過ぎるのを眺めるのも面白いものです。

 

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琵琶の名手「蝉丸」を祀る神社で 歌舞音曲の神様として知られています。

彼が詠んだ「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」という和歌はあまりにも有名です。

 

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今来た道を少し戻ります。

これもまた面白い風景。 線路の向こうに急な階段が続いています。

民家と線路と細い路地がよりそっていて、踏切のカンカンカン。。も心地よく響いています。

 

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階段をまっすぐ登ると右手に見えるのが、大きな大きな灯篭?

いえいえ 灯篭ではありません、牛の供養塔です。

 

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かつてこのあたり一帯には「関寺」と呼ばれる大きな寺院がありましたが天延4年(976)の大地震により大規模な被害を受けました。

 

関寺再興のために、清水寺から遣わされた一頭の牛。

迦葉仏(かしょうぶつ=釈迦の前世)の化身であると言われていたのですが、再興が終わった後、亡くなってしまいました。

その牛の供養のため建立されたのが「牛塔」であると伝えられています。。

それにしても、この大きな塔は迫力です。

 

牛塔のある場所からさらに階段を上がると、関寺の一隅に16世紀頃創建されたと考えられている「長安寺」があり、さらにその奥にあるのが「関寺小町」の供養塔。

 

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「関寺小町」は関寺を舞台とした能のひとつで、小野小町の老女物。

ガイドの中川さんによると「老いの美」が描かれているそうで、人には歳相応の美があるものだと、ちょっと自分を慰めてみたり。

 

交通量の多い国道脇の、細い道路の、奥の高台にあるため、人目につきにくく大津市民ですら知らない人も多いと思われる「長安寺」ですが、綺麗にお手入れがされていて鬱蒼した境内は自然に囲まれとても落ち着きます。

高層マンションが多くなってしまった大津市内ですが、それもまた時代の変化かと気持ちよく見下ろせます。

 

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長安寺のすぐ近く、国道沿にある「小町湯」

破風のある銭湯はやはりそれだけで歴史を感じます。

店主さんのお話では幕末から営業されているとの事でした。

 

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浴室の手前はタイルで一段高くなっていて、脇には洗い場があり、赤ちゃんを着替えさせる台があり、竹の脱衣籠がある。

昭和の時代母に連れられ銭湯通をしていた日々懐かしく蘇りました。

 

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お風呂上りのコーヒー牛乳は絶対飲ませて貰えなかったけれど、今はコーラにスポーツ飲料なんですねえ。

 

さて、これで今回の「まち歩き7選」全行程終了。

最後に表彰されたこの女性。「大津通になるんや~」と元気よく7回参加されました。

 

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お疲れ様でした。

 

大津の中心地として栄えた大津百町は、多くの歴史を持ち、魅力溢れていました。

再開発の波に呑み込まれず、さらにそれをも生かした魅力ある町であり続けて欲しいと思います。

 

~ 一番風呂へいらっしゃい ~

 

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大津の魅力にとっぷり浸かり、疲れをとってくださいね。。

 

 

 

体型に自信のない私は後日、小町湯さんにお邪魔させて頂きました。

総タイル貼、深い湯船。赤と青のカラン。。。

なんといっても、憧れの富士山のタイル画に出会えたのは感激。

お風呂全体に湯気が立ちこめ暖まります。

 

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「桶は外から持ってくるんですよ」

「そこで着替えると見えますよ(笑)」常連さんが親切に教えてくださいました。

お1人は毎日山科から来ておられるそうです。

「やっばりお風呂はいいですよねぇ~ 1日の疲れが取れるんですよ~ もう夕食の用意はしてきたんですよ~」と色々お話をしてくださいました。

そうですねぇ。銭湯のよさってこれです。

 

大津の銭湯は現在11軒。心も体も暖まる銭湯いつまでも残って欲しいものです。

 

 

 

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